先日のイームズハウスバードを買って勢いが付いてしまい、前々から欲しかったエレファントチェアも購入してしまった。こちらは正真正銘のイームズデザイン。なんと1945年にイームズが自分の子どものために作ったのだが、3次元の成形合板のため、製作が難しすぎて量産が出来なかった代物。それが2007年に限定販売されあっという間に売る切れ。そして2017年になってやっと通常ラインナップに加わった。

1945年といえば第二次世界大戦終戦の年、その年にこんなにも複雑な椅子を試作とはいえ作っていたなんて、アメリカの木工の技術がいかに進んでいるのかが理解できる。弊社も成形合板を使って曲げ加工などするが、未だにここまでのカーブは曲げれない。そしてこの椅子を見るとモチベーションが湧いてくる。肝心な座り心地は良くありませんが。(笑)

このエレファントチェア細部の仕上げも綺麗にされてるが、職人の私から見ると何点がちょっとだけ仕上がりの荒い所が見られる。直線の無い椅子なので、その曲線に沿ってカットされているが、ほんの少しだけ歪な曲線を持っている。木目のパターンも背中とお腹の部分、鼻の部分に板目の木目が使われいると思っていたが、前足後脚と両耳に追い柾が使われている。公式のサンプル画像とは木目のパターンが違っていたので少しがっかり。

板目とは木目のパターンがタケノコの様な木目が入っている事を言う。そして柾目とは真直な木目が平行に何本も入っている木目。追い柾とは柾目が板目に変わりつつある木目。成形合板を作る時にこの板目や柾目などを選ぶ事は可能だが、恐らく美しい板目模様の突き板が無かったんだと推測する。木材は貴重な資源なので美しい木目のモノから使われているのが現状。