婦中町にあるカフェ、ノーホエアさんから什器の依頼を頂いた。カフェの中に小さなお家を2つ作りたい。お店の中にお家?一体何を言ってるのだろう?そしてそのオーナー手書きのスケッチを見せてもらう。なんと素敵なスケッチとデザインだろうか!こんなにデザインコンセプトが立っているプロジェクトは初めての経験だ。
通常の依頼ではお客さんから要望を聞いて、私がそれをまとめてデザインし、お客さんにこう言う事ですよね?と説明しながら図面作成していく。しかしお客さんは図面を見ただけでは理解できないのが普通。それを伝えるために詳細スケッチを書いたり模型を作ったりする。今回は逆でお客さんから図面の説明を受ける。彼らの頭の中ではそれはもう完成しているが、詳細までは定まっていない。それを定めるために1/10の模型を作って再度打ち合わせ。
屋根の勾配、窓の大きさや位置、壁の厚さ、素材、色、電源や照明、機材に関する配線ルートなど細かな仕様を決めて作成に入る。製作中にも何回か見にきてもらい完成度をさらに上げる。あまりに大きいため運搬、搬入ができないので工場では仮組合と下塗りの塗装を行い、現場で組み立てと仕上げ塗装を施す。このお家2台とも、隠しキャスターが付いているので店内では移動もできる。床の高さを低くしたいがキャスターも付けたい、これが結構難題でお家の床を掘り込んで、キャスターを1台につき20ヶ取り付けてある。そして窓ガラスに入っている+の格子がアクセント。そのアクセントを強調するため極力細くしてある。そして天井には換気や空調、明かり取りのために天窓も付いてます。