ソファーとテーブルを新調するなら一緒に購入するのが普通だろう。私の場合テーブルは自分で作るので後になってしまう。しかし例え作れなかったとしても、その購入時期はずらしたい。

新しいソファーが入ってその座り心地やサイズ感、色合いなどを見慣れてきた頃になってから、テーブルの設計に取り掛かる。(別に急ぐ必要も無いし、2回に分けてその変化も楽しみたい)

まずはテーブルの高さ、ソファが若干高くなったので5ミリ高くする。と言っても脚は前のを使い回すので天板厚さを5ミリ厚くするだけ。奥行き方向は前回と同じ、長さ方向は40センチ延長。そして色は白木にする。白木と言っても沢山種類があり、私のお気に入りのメープルで木目は柾目にする。メープルの無垢材で作るとコストがバカ高くなるし重い。掃除するときに1人で動かすのもかなり至難になる。

今回のテーブルトップはメープルの突板。突板(つきいた)とは原木を特殊な機械で桂剥き(カツラムキ)したものをベニヤに貼ってある。一般では0、25ミリほどの桂剥きされた樹皮をベニヤに貼り付けてある。ベニヤと聞いて「それ大丈夫?」と思う方が大勢だと思うが全く問題無い。木製家具と言われ売られている殆どのものは突板+ベニヤで作られているし、100年以上歴史のある伝統的な工法。私はそれらも理解した上で、さらに自分の創意工夫をアレンジして製作している。モノにもよるが無垢材の家具に比べてコストは1/5程。軽くて剃りもなく手入れも簡単。表面0、25ミリは本物の木なので経年変化も楽しめる。

今回のメープルのテーブル、塗装はウレタンクリヤー艶消し。単純にクリヤーと言ってもそのままメープル材に塗ると少し黄色くなってしまい、メープルの醍醐味である透き通った白の色合いが失われてしまう。それを防ぐためクリヤー材の中に少し白色を織り混ぜると綺麗な発色になる。その調合度合いは企業秘密。

最近では天然素材ブームなので、塗装はウレタン塗装より天然オイル仕上げが人気。しかし白木でテーブル天板を天然オイル仕上げにすると、赤ワインをこぼすと一度でシミになる。拭いても取れません。お茶の和じみも付着するし、数ヶ月でかなりなエイジング仕上げになるので白木のテーブル天板には天然オイル塗装はお勧めしていない。

パッとみると単なる長方形の板だが、そこにこだわりが沢山詰まっている。メープル突板柾目になると、こんな風に綺麗なストライプ模様になる。これがまた素敵!