みつろうクリーム

前回iPadケースの話を書いたついでに、ちょっとだけ塗装の話。

天然系塗料の代表格と言えばオスモやリボスになるが、みつろうクリームもその仲間だと思っている人が多い。
間違ってはいないが、塗装の方法が全く違う。と言うか考え方が違う。

オスモやリボスは、成分のブレンド具合により多少異なるが、基本的にサラサラのオイルだ。
それを直接塗って乾かし、出来れば1週間程置いてから、サンディングをした後にもう一回と言う具合だ。
基本2回塗りをすれば、3回目は不要と言う訳だ。

ミツロウクリームはと言えば、半ねりのオイルなので布に染み込ませ、擦るように塗り込む。
正直全く浸透しない。水ぞうきんで拭くと、せっかく塗ったオイルが取れてしまう。
なので〝表面のオイルが取れてきたなぁ〟と思ったら、再度塗りこむ。
それを何度も繰り返し、光沢を出していく。
10回位?なんて甘いモノではない。長い時間と労力をかけて磨き、成長させる感じのオイルだ。

私の考えでは家具などの大物はオスモやリボス、いつも手に触れるモノはミツロウクリーム、と言った具合で使い分け。
ミツロウクリームをそのまま使うと浸透圧が低いので、私の場合はフライパンの上で温めて、液体状にしてから布で塗りこむ。(燃えるので必ず側で見ながらする事)

結果で言えばミツロウクリームでしっかり磨き込んだモノは、オスモやリボスより美しくなる。でも大変な作業。

念のため、これは私が試してみた現段階の見解と結論。
やり方次第ではもっと良い方法があるかも?
職人は日々、実践しながら階段を上がっていかなければ。IMG_3142

第3回 iPadケースを作ろう!

3年前に作ったiPadケース、誤って落としてしまい破損してしまった。
そんな訳で久しぶりに作ってみる事にした。

木箱を作るイメージで先ずはフレームから。
今回はメープル材を製材して写真の様に溝を掘る。
上下の溝は天板と地板用の溝、真ん中の溝は印籠になる様に掘ってある。
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上箱と下箱、フレーム材でまだ繋がったままの状態で糊を付けて枠を組む。
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糊が乾いたら、上下の箱をカッターで切って分離させる。
そしてまた糊を使って天板と地板をフレームに貼り付け、クランプ留めをして待つ事2時間。
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とりあえず箱が完成。その後iPadが入るように内部を切削して、外部もモナカの形をイメージしてカンナで削る。
(写真を撮り忘れた)

出来上がったモノがコレ。上からみたフォルムは変わりないが、横から見ると30パーセントほど薄く作ってある。
材質も前回はスプルス材のフレームだったが、強度を考えてメープル材に変えてある。天板と地板は前回と同じ米杉材。
強度は前回に比べて5割程強くなるが、その分重くなる。ここら辺が木材選びの難しい所。

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いつもならミツロウワックスを塗るのだが、今回は試験的に無塗装で使ってみたい。

家具?

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最近お客様以外の工場見学を希望される方が多い。
基本的に工場見学はNGだが、就活や熱意のある見学の場合はOKをしている。

いつも見学前日までに何を話そうかと考える。
そして今更ながら、家具について再度自分に問う。
家具って? その定義って?

灯台下暗し的な事を考えさせられるその時間。
私が手掛けている家具は〝使う〟と言う意識よりも〝飾る〟と言う感覚が多い。

例えるなら壁に絵を飾る感覚だ。フレームが家具で絵がグラスや調度品、本であったりする。
お互いが無いと困る存在、外枠と中味で一対にして魅せる。

画像は下駄箱を兼ねた飾り棚。食器棚、洗面台などの家具の場合でも、同じ考えで設計をする。

ただ単に収納を作ればよい、と言うのは家具職人として無責任過ぎる。
家具が入る事で部屋の雰囲気がフワッとなったり、モダンになったり、その空間を司る重要なアイテムは家具だと思う。
むしろそうあるべきなのだ。

そもそも家具と言う言葉は西洋の家具を指している。日本の家具は指物(さしもの)と言う。
私が求めているのは西洋のそれなので、指物の解釈とは随分違う。

そしてわざわざ西洋まで行かなくても、ベトナム周辺はフランス領だった歴史がある。
今でも沢山の西洋の建築が残っており、アンティークの家具も沢山見れる。
アジアの文化と西洋の文化が入れまじった国。そう言う家具やインテリアをもっと見たい。

家具の事を考えると夢が膨らみ、体中から探究心が湧いてくる。

もう11月。年末のスケジュール空いてた様な…