自身の作品やコレクションしているお気に入りのモノを綺麗に展示したいと思い、弊社工場内に展示用ケースを作った。そのモチーフとしたのが昔の病院の薬品棚。それは一つ一つのパーツがキャシャに作られ、棚板のピッチが細かい特徴がある。そこをしっかりと捉えて設計し、棚板のガラスの厚みを3ミリに設定。ガラス屋さんからは3ミリの棚板ガラスは強度的にNGを出されたが、重いモノを置かない、棚板の幅と奥行きが小さい、そんな訳で3ミリガラスを無理に採用。
このケースの奥行きは15センチで有効内寸が11センチの奥行き。とても浅型のケースだがこれは照明の陰影を付けたかったのと、魅せる事を強く意識したため。奥行きのあるケースだとちょっと空間がぼやけてしまう。(奥行きのある作品を飾る時は別)上天板の厚さ2センチだが、そこにダウンライトの電球色を4灯仕込んである。
4枚のガラス扉はデザインと安全を考慮して木枠の框組みで作り、トリミングも加えてより細く見える様に作ってある。パッと見て「わっ、綺麗」と思ってもらうため、何気ないこの展示ケースには沢山の考えと技術が詰まっている。その甲斐あって訪れるお客さんは、このケースを見た瞬間に一直線にケースの前に行き眺めている。そして中に収まっている私の作品やお気に入りのモノを眺めてくれる。狙い通りの効果になったといつも喜んでいる私。