先日北日本新聞さんに取材にきてもらった内容が掲載されました。
子供達に色々な仕事を教える趣旨のコーナーなので、
漢字には全てルビがふってあり、文章も簡単に書いてあります。
いつものことですが、母親が一番反応してコンビニで10部位購入し
親戚、知人に配っていました。息子ながら、ものすごく恥ずかしい‥
以下、掲載文です。
■ものづくりは楽しい
子どものころの遊び場は父親の作業場で、中学生のころには図面を描(か)いていました。そのころから自分は親の跡(あと)を継(つ)ぐのだと思っていて、27歳で家業に入りました。現在(げんざい)、県内外のブティックなど店舗(てんぽ)に設置(せっち)する造作(ぞうさく)家具を中心に手掛けています。店舗やブティックの内装(ないそう)家具、日(にち)常(じょう)ではない空間をつくるのが好きです。
高校を卒業した後、高岡市の家具製造(せいぞう)会社に勤(つと)め7年間修(しゅ)業(ぎょう)しました。まさに職(しょく)人(にん)の世界で、まず掃除(そうじ)からのスタートでした。指示待ちでは仕事がもらえませんが、親方(おやかた)が恐(こわ)く、何をやっても叱(しか)られるので道具の使い方などは見て覚えました。そんな「職人の世界」は自分の世代が最後だと思いますが―。
手仕事は前の職場で一通り学びましたが、機械を使った方がよい場合は機械で作業します。ただ、手でなくては伝わらないこともあります。技(ぎ)術(じゅつ)がさびないように10年ぐらい前から「高岡クラフトコンペ」に出品しています。第53回日本クラフト展で最高賞を受賞した木製文箱は試作(しさく)を何度も繰(く)り返して作り上げました。
以前、知人からウオークインクローゼットを作ってほしいと頼(たの)まれました。最初は新居で使うたんすがほしいという希望でしたが、7、8時間打ち合わせし、相手の思いを汲(く)みウオークインクローゼットになりました。アメリカの人気ドラマに出てくるような仕上がりになり、依頼(いらい)主(ぬし)に大喜(よろこ)びしてもらえましたが、完成時が頂点(ちょうてん)ではなく、服を出し入れするうちに美しくなると思っています。家具は機能(きのう)だけではなく空間、雰囲(ふんい)気(き)も大切です。
ものづくりは楽しく、作業中に出る廃材(はいざい)の生かし方を考え、ワークショップを開いたこともあります。自分がいつも思っているのはものを作るだけではなく、お客さんの立場になり、期待を越(こ)えるものを作りたいということです。そのために高度な技術は当然必要で、素材と技術の開発を惜(お)しみなくやり、デザインの勉強もします。美術館などにも行って、五感を奮(ふる)い立たせて仕事しています。