カンボジアから帰国した。3泊5日の短い旅、しかも楽しい時間 なので、あっと言う間に過ぎてしまった。
色々な人から〝何でいつも海外に行くの?〟と質問される。
私としてその質問は〝何でご飯を食べるの?〟答えは〝お腹が空いたから〟と言ったモノに近い。
海外には行きたいから行ってるだけ。しいて言えば、素材の勉強や家具のデザインの勉強だ。
海外に行くと、色々な家具や色々な木材、そして色々な素材表現のモノがある。そう言うモノが目に飛び込んで来ると、嬉しくて仕方がない。ただそれを勉強と言うと、おこがましい気がするので、返答に困るわけだ。
カンボジアの木工は、技術的に遅れているのでけっこう粗い。日本の木工技術で言うと、戦前の技術より今も遅れている。ただそれは、進化した木工技術の必要性が無いから発展してない様にも見える。
その粗い木工の木材の持つ素材感が、半端なく格好良い。そして材木が沢山ある国なので、良質な材木を惜しみなくドーンと使っている。あまりに素敵に見えたので、企業秘密と言う事で写真は掲載しない。
ここ最近日本では〝エイジング仕上げ〟と言って新しい家具を、古く見せる加工が流行している。恐らくヨーロッパのアンティーク家具をモチーフにしていると思う。しかしアジアの家具も負けず劣らず、良い雰囲気を出している。そういうモノを間近で見るのは、今後の素材表現の幅が広がり嬉しい事だ。
今回はガイドのテペットさんの家に、3日間毎日入り浸り、カンボジアの家を見せてもらい、手料理を沢山食べさせてもらい、お返しにキッチンで味噌汁を作って振舞ったりと、実際のカンボジアの生活に近い体験をさせてもらった。その中で建築、家具、文化をものすごい近い形で体験出来たのは、とても貴重な事だ。
そんな素晴らしい3日間も別れの時になり、ガイド料を彼に手渡した。
〝またいつでもカンボジアに帰っておいで〟と照れながら彼は言う。
そして〝チップでは無いんだけど、プライベートでローカルな場所に連れて行ってもらったし、ビールやご馳走も沢山頂いたんで〟とお札を出した瞬間〝友達やから要らないよ、また来てね〟の言葉。何だかウルルンの様な別れになって、また行くやろなーと強く思った。
左から2番目がテペットさん、下の写真はローカルな遊園地