今日は弊社工場の吊り戸棚の紹介です。

一見シンプルで脇役的な存在ですが、私が大変気に入っている家具です。材質はラワン材と言う家具を作る時に使う下地材で、一般的には仕上げ材として使われない材料です。その訳は木目がキレイではなく割れていたりする、質感が粗く触るとザラザラする。材の導管も大きく安っぽい印象を受けるなどの理由で、昔から下地材の代名詞となり決して仕上げ材として使われなかった材料です。

しかし今回はその欠点を逆手に取り、まず薄めの白色の塗装を施します。そうすると塗装ムラやひび割れなどが表面にクッキリ現れ、自然なアンティーク仕上げになります。新品なのに昔からそこにあった様な雰囲気になり、違和感無く周りとの調和がとれます。

扉はラワン材カマチ組で製作し、昭和感を演出する為にカマチの内側はR加工をしてあります。こういったデザインの扉は連続して見ると美しいので、正方形の扉を12枚取り付けました。弊社に来るお客さんからも大変評判良く、「中に何が入っているのですか?」とよく質問されます。収納としてももちろん使えますが空間を演出する家具なので、中に何もいれていません。まるで映画のセットみたいです。

このアンティーク仕上げの家具は古びた空間にも合いますが、モダンな新築住宅にもミスマッチ感が逆に空間に馴染んでしまう、不思議な魅力を持っています。そういった意味でも最近の家具のトレンドになっています。

カマチ扉にホゾ加工している様子