KNBニュースエブリィ つくる

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先日、KNB ニュースエブリィのシリーズ 〝つくる〝の取材を受けた。
3時間以上の取材で、私が家具を作っている姿や仕事に対する考え方など 、
沢山の時間をフィルムに収めてもらった。

そして放送日、リアルタイムで見るのは照れるので録画して後で見る。
その前に、放送を見たお客さんや友人達から電話やLineが沢山来る。
〝なんだかとっても嬉しいじゃないか!〝
そして皆さん、掃除ばっかりしてるんですね!と口をそろえて言う。
その放送を私も見たら、ホントに掃除ばかりしてた。
ディレクターが弊社の工場が余りに綺麗だから、そこを強調するために意図したらしい。
家具職人よりも掃除職人と言うイメージが付いた今日この頃。

下のリンクが私の放送。ハイパーリンクはwebのシステム上 出来ないので、コピペして見てくださいね。

http://www.knb.ne.jp/bangumi/news/article_detail.html?sid=4592&date=20190220&rid=53

M様邸 飾り棚

先日 友人の書斎にお邪魔した時に、ピンとひらめいた。
この書斎に飾り棚があれば良い、と。
壁〜壁までのワイドな飾り棚、長さを強調するために高さは低くめで、奥行きも浅め、
と勝手にイメージを膨らませて、友人にそれを話す。
突然そんな事を言われた友人はビックリしているが、興味はある様子。
しばらくすると、そこまで言うんなら作ってよ!と有り難いお言葉。
決して押し売りしてないつもりです。もしかすると、そう感じられてるかも…
勝手にプレゼンした飾り棚なので、全ておまかせの一品。

色は壁に合わせてナチュラル色と白色。
連続した8枚カマチ扉は、黄金比のバランスで設計してあり、
その縁取りも丁寧にトリミング加工を施し、一つ一つがフレームの様に魅せる。
天板の小口部分もモールディングを施し、上品な雰囲気を醸し出す。
真ん中の棚板のラインを強調したく背面は白色。
そうする事で一本の線がビュッと入った様に見え、全体的に引き締まって見える。
もちろんその棚板の小口部分もトリミング加工を施し、ディティールを引き上げている。

設置作業を終え、友人も大満足の一品になった。
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ホーチミン視察

東南アジアの文化に興味がある。
あの混沌とした雰囲気にゾクゾクさせられ、もっとそれを知りたいといつも思っている。
今回はベトナムの南部ホーチミンを視察。歴史を見ると古く中国に侵略され、ベトナム独立、その後フランス、そして日本、アメリカと何カ国にも侵略されているこの国。
それだけの国に侵略されているからか、沢山の文化が入り混じってカオス(混沌)な状態に陥っている。
今回はフランスの植民地時代にスポットを当てて視察。

先ずは市民劇場、オペラハウスとも呼ばれコロニアル様式の建築。
使われている材料はフランスから直輸入されたモノなので、まんまフランスの建築と言ったもの。
中には入れないが演劇鑑賞をすれば入場可能なので、チケットを日本で予約しておいた。
内部は真っ白な壁に真っ赤な椅子、直線をなるべく使わずに曲線ばかり多用し、様々なモールディングやトリミングがアールヌーヴォーを感じさせてくれる。本当にここはベトナムなのかと信じられなくなる。
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次は中央郵便局、真っ黄色な外壁の横長でシンメトリーな建物。
ここの凄い所は、鉄骨の設計がエッフェル塔の設計者だったり、内装はオルセー美術館を参考にしてたりと、ビッグネーム感がある。ただ直線にしても曲線にしても、微妙に歪んでいる。おそらく施工技術がそこまで高くなかった事が伺える。
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サイゴン大教会、そもそもホーチミン市はサイゴンと呼ばれていたので、その名前がある。けっこう高さのある建物で、遠くからでも確認できる。しかし改修工事中なのか外にフェンスがしてあり、内部はおろか近づく事さえ出来ないので、そのディティールを見る事は出来なかった。
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人民委員会庁舎、ここも一般公開はされてない建物。
あまりに大きいので近くで見てもイマイチ、遠くで見てもイマイチで自分のピントが合わなかった。
と言うのもすぐ前に交通量の多い道路があり、のんびり観光してると車に轢かれそうになる。
そして程よい距離にホーチミン像があり、よく見えないと言った感じだ。
昼、夜と全て2回訪れ、ライトアップの姿も鑑賞出来た。
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これだけ沢山の建築が半径約300メートル以内にボコボコと建っている。
シンボリックな建築が所狭しと建っていて、周りを見れば外貨を沢山持った観光客の山。
その胃袋を満たす為、屋台やレストランもゾロゾロと並んでいる。そして土産屋も。
この街はこうやって発展して来て、今後も発展し続けるんだと納得させられた。

ナラ材アンティークスツール2

前回の補足

このスツールの材料はナラ材。しかし普通家具に使うナラ材ではない。
朝日町にある尾山製材さんで買い付けした、その名も〝虫喰いナラ〟

虫喰いされた木材はほぼ価値が無くなるが、
尾山製材さんはそこに目をつけ、一つ一つの個体として木材に価値を付けている。

その虫喰いされた表情は経年変化された風合いを出し、
新品なのにアンティークの雰囲気を感じる。

そしてナラ材の特徴である、〝虎斑〟(トラフ)。
右側にある脚のマダラな模様、これが虎斑だ。

そもそも虎の模様に似ている事から、虎斑と名付けられている。
この虎斑がはっきり出るナラが私の好みだ。

このスツールには、虫喰い、虎斑、白太、と様々な木の表情が入っている。
とてもお気に入りなスツールに仕上がった。
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ナラ材アンティークスツール

先日、古道具屋さんでアンティークなスツールを見かけた。
4本脚のシンプルなスツール、
木材も経年変化を経て良い色合いになっている。

久しぶりにスツールを見て欲しいなあと思った。
それは一脚しかなっかたので、目に焼き付けて帰りスケッチをする。

スツールや椅子などは座面高さがある程度、人間工学上決まっている。
脚の太さ、座面の大きさなどは、先ず耐荷重性、座りやすさ、見た目といった順番に決めていく。
元ネタはあるので2時間程で図面を作成する。

図面と言っても、大きなベニヤ板に原寸図を書くのが1番正確で、
見た目のバランスもとれる。
パソコンを使った図面だとスケール感が無いし、
木組みをする為の木組み図まで書き込めないので不向きだ。

このスツールのポイントは、脚の勾配がある所。
10度の勾配で木組みの加工をする。これが本当に面倒な仕事。

ありそうであんまり無いデザインのこのスツール、
やはり製作するのが大変でコストがかかってしまうからだろうと、
一人で納得する。

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ディスプレイ棚

近所の金物屋さんから、お店で使用する棚の注文があった。
50ミリ程の商品を、沢山並べる為の専用の棚。

そして製作したのがこれ。全部で75マスもある。
これだけマスが細かくて沢山あると、結構カッコ良い。
そしてシュッとした雰囲気を魅せる為に、内部の間仕切りを薄くしてある。
この間仕切りの厚みを、外板と同じ厚みで作った場合、野暮ったくなってしまう。

欲しい機能を作るのは木工所だから簡単なんだけど、
綺麗な家具を作るには普段から勉強しておかないと、
機能美は追求出来ないんだな。

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みつろうクリーム

前回iPadケースの話を書いたついでに、ちょっとだけ塗装の話。

天然系塗料の代表格と言えばオスモやリボスになるが、みつろうクリームもその仲間だと思っている人が多い。
間違ってはいないが、塗装の方法が全く違う。と言うか考え方が違う。

オスモやリボスは、成分のブレンド具合により多少異なるが、基本的にサラサラのオイルだ。
それを直接塗って乾かし、出来れば1週間程置いてから、サンディングをした後にもう一回と言う具合だ。
基本2回塗りをすれば、3回目は不要と言う訳だ。

ミツロウクリームはと言えば、半ねりのオイルなので布に染み込ませ、擦るように塗り込む。
正直全く浸透しない。水ぞうきんで拭くと、せっかく塗ったオイルが取れてしまう。
なので〝表面のオイルが取れてきたなぁ〟と思ったら、再度塗りこむ。
それを何度も繰り返し、光沢を出していく。
10回位?なんて甘いモノではない。長い時間と労力をかけて磨き、成長させる感じのオイルだ。

私の考えでは家具などの大物はオスモやリボス、いつも手に触れるモノはミツロウクリーム、と言った具合で使い分け。
ミツロウクリームをそのまま使うと浸透圧が低いので、私の場合はフライパンの上で温めて、液体状にしてから布で塗りこむ。(燃えるので必ず側で見ながらする事)

結果で言えばミツロウクリームでしっかり磨き込んだモノは、オスモやリボスより美しくなる。でも大変な作業。

念のため、これは私が試してみた現段階の見解と結論。
やり方次第ではもっと良い方法があるかも?
職人は日々、実践しながら階段を上がっていかなければ。IMG_3142

第3回 iPadケースを作ろう!

3年前に作ったiPadケース、誤って落としてしまい破損してしまった。
そんな訳で久しぶりに作ってみる事にした。

木箱を作るイメージで先ずはフレームから。
今回はメープル材を製材して写真の様に溝を掘る。
上下の溝は天板と地板用の溝、真ん中の溝は印籠になる様に掘ってある。
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上箱と下箱、フレーム材でまだ繋がったままの状態で糊を付けて枠を組む。
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糊が乾いたら、上下の箱をカッターで切って分離させる。
そしてまた糊を使って天板と地板をフレームに貼り付け、クランプ留めをして待つ事2時間。
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とりあえず箱が完成。その後iPadが入るように内部を切削して、外部もモナカの形をイメージしてカンナで削る。
(写真を撮り忘れた)

出来上がったモノがコレ。上からみたフォルムは変わりないが、横から見ると30パーセントほど薄く作ってある。
材質も前回はスプルス材のフレームだったが、強度を考えてメープル材に変えてある。天板と地板は前回と同じ米杉材。
強度は前回に比べて5割程強くなるが、その分重くなる。ここら辺が木材選びの難しい所。

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いつもならミツロウワックスを塗るのだが、今回は試験的に無塗装で使ってみたい。

家具?

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最近お客様以外の工場見学を希望される方が多い。
基本的に工場見学はNGだが、就活や熱意のある見学の場合はOKをしている。

いつも見学前日までに何を話そうかと考える。
そして今更ながら、家具について再度自分に問う。
家具って? その定義って?

灯台下暗し的な事を考えさせられるその時間。
私が手掛けている家具は〝使う〟と言う意識よりも〝飾る〟と言う感覚が多い。

例えるなら壁に絵を飾る感覚だ。フレームが家具で絵がグラスや調度品、本であったりする。
お互いが無いと困る存在、外枠と中味で一対にして魅せる。

画像は下駄箱を兼ねた飾り棚。食器棚、洗面台などの家具の場合でも、同じ考えで設計をする。

ただ単に収納を作ればよい、と言うのは家具職人として無責任過ぎる。
家具が入る事で部屋の雰囲気がフワッとなったり、モダンになったり、その空間を司る重要なアイテムは家具だと思う。
むしろそうあるべきなのだ。

そもそも家具と言う言葉は西洋の家具を指している。日本の家具は指物(さしもの)と言う。
私が求めているのは西洋のそれなので、指物の解釈とは随分違う。

そしてわざわざ西洋まで行かなくても、ベトナム周辺はフランス領だった歴史がある。
今でも沢山の西洋の建築が残っており、アンティークの家具も沢山見れる。
アジアの文化と西洋の文化が入れまじった国。そう言う家具やインテリアをもっと見たい。

家具の事を考えると夢が膨らみ、体中から探究心が湧いてくる。

もう11月。年末のスケジュール空いてた様な…

先絞り丸脚テーブル

半年に一度位のペースでテーブルの受注がある。
今回のテーブルはなかなか大変な一品。

材質はナラ材、普通の広葉樹に比べて比重が2割程高いので、結構堅いんだな。
手鉋をかけていたら、いつになっても終わらないので、極力機械加工にするため治具作りから始める。

脚が先絞り+丸脚と複雑極まりないデザイン。ヌキも大きな円弧を描いている。

ヌキは円弧の型を作って、墨出しして切ればほぼ完成。
と思ったら脚との接合面が、直角では無く若干の勾配がある。
と言う事はヌキのホゾは手加工のオスホゾ加工。

脚は四角柱に製材した後、ヌキ用のホゾ穴を掘る。
そして四角錐にする為、機械で切り出す。
そして円錐に近づけるため、削っていく。

多分文章だけ読んでると、チンプンカンプンやろな。
これを読んで頭でイメージ出来る人、結構な木工職人です。

こんな複雑な脚を作っていると、フラットな天板を作るのは朝飯前。

とても素敵なテーブルが完成、自宅用に欲しくなった一品だ。
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